一流人じゃなくても夢は叶えられる!

英語を学び、映画を見まくったことで夢は叶えられた!

【英語/映画/旅行が好きな方向け】ロサンゼルス駐在生活体験記 003

2.ロサンゼルスにやって来た! (のつづき)

このウエストウッド地区ですが、有名大学のUCLAがあったり、マリリン・モンローが眠っている墓地があったり、映画館もかなりの軒を連ねていたりと結構人の多い賑やかな地区という印象でした。ロサンゼルスの中でも比較的治安の良い場所とされ、週末には町を散歩する学生たちの姿が数多く見かけられて安全で過ごしやすいということから先輩駐在員がここにウィークリーアパートメントを借りておいてくれていたわけです。先輩駐在員からウィークリーアパートの鍵を受け取り、夫婦二人きりで部屋に入り、ロサンゼルスでの生活がいよいよスタートとなったわけです。ただ日本で出発前に様々な人たちからロサンゼルスはとても怖い場所だとかなり脅かされてきていたので・・・。

 到着当初は、異常なまでの警戒心からすれ違うすべてのアメリカ人がギャングか強盗の一味なのではないかと思ってしまい、上から下までジロジロ、ジロジロと不信感いっぱいの目で眺めていました。今にして思えば、目が異常に血走っていたでしょうから「なんだ、この日本人は?なんで壁に沿ってカニのように横歩きしてるんだ?」と思われていたはずです。

 実はロサンゼルス支社の従業員は一人だけで、前任の駐在員が帰国してしまうと現地には私一人だけになってしまうという状況でした。よって、その翌日の早朝からみっちりと中身の濃い引継ぎ業務が行われました。

ロサンゼルスでの新生活をスタートさせるにあたり、まずは

「ソーシャル・セキュリティ・ナンバー

(Social Security Number、社会保障番号) 」

なるものを取得しなければならないということで、ウィルシャー通りとラブレア通りが交差する所にある薄暗いセキュリティオフィスに出かけていきました。この番号は一人一人に付けられる背番号みたいなものらしく税金納税時に必要で、これがないと銀行口座も作れないし、仕事にも支障が出てくるという代物でした。

 私が到着した1992年のロサンゼルスはまだ地下鉄が開通していませんでした。92年の東京は地下鉄が縦横無尽に張り巡らされていて車などなくても地下鉄やJRで行きたいところに行けましたが、ロサンゼルスは車がないとどこへも行けない。そりゃ道を歩いて時間をかければ行けるでしょうが、ギャングに意味もなくガンの標的にされるかもしれないと言われたら歩きたくても歩けなくなりました。日本から国際運転免許証を持ってきてはいましたが、この国際免許証を見たことがある人はお分かりだと思うんですが、その免許証の番号の長さが半端なく長いのです。「一体何桁あるんだ。」とあきれるほど長いのです。なので身分証明書として使うには適しておらず・・。

 身分証明として運転免許証を使う頻度が日本より多いアメリカではやはりこの町で使用する独自の免許証を新たに取る必要がありました。

 東京では免許証は持ってはいたもののペーパードライバーだったので業務上、車で動きまわる必要があった為、

ロスで生活する上で最初の課題は、英語よりも自由に運転が出来るようになるということでした。

 ただ、運転出来るようになるということが、あれほど大変なことだとは思ってもいませんでした。アメリカで運転するのは「左ハンドルだから大変よ、きっと。」などと東京で言われてはいたけれど、もともと日本で運転なんかしてないわけだからハンドルが右だろうが、左だろうが、どちらについていようが関係はなく、業務の引継ぎ期間が2週間しかないので、自分一人で動きまわれるようになっておかないことには仕事に支障が出てきてしまうわけです。

 そんなわけでロスに到着してからの最初の週末にやったことはレンタカーショップで車を借りて、とにかく車に乗れるようにと思い自主トレを敢行しました。

しかしながら、只、真っ直ぐにしか進むことしか出来ず、

初にビバリーセンター近くのレンタカー屋で少し小さめの赤い車を借りたのですが、レンタカー屋から普通道路に出るのに一苦労で一般道に出てからも、もう怖くて真っ直ぐにしか進むことが出来ず、道を曲がろうとすると他の車がまわりにいなくなるまでずっと待って待って待ってから曲がるものだからとにかくロサンゼルスを北から南にまっすぐ下にずんずんとただ降りていくしか出来なくて。でもさすがに背の高い建物がなくなってきて、もうかれこれ40分位真っ直ぐに下に走ってきているからから、もうそろそろ左に曲がらないとまずいぞと思い、ようやく左に曲がるにしました。

左に曲がることが出来ましたが、その後もひたすらに真っ直ぐにしか行けないので、今度はロサンゼルスの町を西(左)から東(右)に横切って車を走らせました。ロスの真ん中あたりからダウンタウンの方向にひたすら真っ直ぐに走っておったわけなのです。

するとなんだか高層ビルがたくさん立ち並んでいる町のビルの間を走りだしたので、ここがロスのビジネス街、ダウンタウンに違いないと思いました。(地図くらい買ってから車に乗れよ!!)まっすぐにしか走れていないのにダウンタウンにいるという状況、一体、どんだけの時間まっすぐに走ってんだよ、お前さんは。

 「俺は憧れだったロスの町中を、走り抜けているぞ!」

 まっすぐにしか進めないへなちょこドライバーなのに、なぜか凄いご満悦で達成感のあるファーストドライブ、

「俺って、かなりたいした奴なのかもしれない!」

と決して回すことのないハンドルをしっかりと握りしめながら思っておったわけなのです。

一人そんな満足感に浸っていましたが、曲がることのない車はダウンタウンを抜けて、ただひたすらに、どんどんとまだ直進を続けていくのですが、そのうちになんだか荒んだ感じの家々が建ち並ぶ街中に入っていき、これってみんなから「行ってはいけない」と言われていたギャング団が潜んでいる町に入ってきてしまっているのではないか?う~ん、地図もないのでどこを走っているのやら、ダウンタウンを通り抜けているのは確かだと思うだけれども・・・。

レンタカー屋を出たのが11時。車の時計を見るともう4時になっていました。メシも食わずにただただひたすらにロスの道をまっすぐにまっすぐにと5時間も走り続けてきている。長時間走り続けていることに気づいたら急にトイレに行きたくなってきてしまいましたが、ロスの中でもかなり危険だと聞いていた地域に来てしまっているわけなので迂闊にコンビニに行くことなどしてギャング団に遭遇などしてしまったら、とんでもないことになると思い、一瞬のうちにある決心をしました。もういい大人なのだから、ここでギャングに遭遇するくらいなら「車の中で漏らしてしまってもいい!!、ジーパンとパンツが濡れるだけ。ただそれだけだ。それが大人の判断っていうやつだ!!」と思い、ついにロスの中心に戻るべく自らハンドルを切る決心をしたのです。「漏れたってかまわない。」

それから家へ向かう車中。40分位走っただろうか。初めての週末で沈みゆくロサンゼルスの夕焼けを初めて目の当たりにした。とてもとても綺麗だったし、風が心地よかった。ただ、

俺のジーンズとアンダーウエアはいい具合に水分をまとっていたが、それすらが心地良く感じた!!

つづく

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