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ロサンゼルス駐在生活体験記:コリアンのジェイ先生【再掲載 006, 033】              

3.コリアンのジェイ先生(のつづき)

その後の連日の教習においてもジェイ先生の手厳しさは相変わらずでした。ジェイ先生のその独特の厳しさはドライバーの身の安全と命を守りたいという彼の気持ちのあらわれなのだと段々と分かってきました。先生はある時「縁あって自分が教える生徒には将来、不要な事故に遭わないで楽しいドライビングライフ過ごしてほしいのです」とぽつりと言ったことがありました。

上はあくまでイメージ画像です。この作品はErika WittliebによるPixabayからの画像。

「大過なく安全に運転し続けて行ってほしい」という強い願望から我々生徒たちには他の先生よりもかなり厳しくしてくれているということが分かり、素直に先生の言葉に従うようになっていきました。 私の運転が上達していくにつれてジェイ先生から口悪く指摘される機会も少なくなっていきました。

そして、いよいよ最後の授業となったその日、ジェイ先生が突拍子もない質問をぶつけてきました。

ロサンゼルスでの運転免許試験を受ける準備をジェイ先生がしてくれていたのですが、最後の授業では実施試験で走るコースを実際に一度体験しておきましょうということで、私は真剣にスピードの出し方や曲がり方に気を付けながら最後の方の授業をこなしていました。しかし、先生はいつもの殺気というものがなく、どことなく力が抜けているように感じました。

ウィルトンという通りを北上して横に走るウィルシャー通りに近づいてきた辺りで次のような質問をしてきました。

 

「高岡さん、正面のショッピングモールの中に『くいしんぼう』という日本食レストランがありますね?」

 

私はてっきりそのモールの中に入って、その駐車場に車を停めるように指示されるのかと思ったのですが、

 

 「『くいしんぼう』というのはどういう意味ですか?『くい』というのは『Eat』『食べる』こと でしょ?『辛抱』というのは『我慢する』ことですよね? するとこの『くいしんぼう』の意味というのは食べて食べてお腹がいっぱいになっても辛抱して食べ続けなければならない!という意味ですかね?だとしたらとんでもない店ですね?

 

と言ってきたのです。

私は可笑しくて吹き出しそうになるのをまたも必死にこらえておりました。おそらくハンドルを握る手が小刻みに震えていたと思います。その後、私なりに「くいしんぼう」の意味を伝えたのですがジェイ先生は納得していないようでした。

 

そして、私の最後の授業から数日後に受けたロスでの運転免許の試験には珍しく一度で合格出来ました。

 

その後、日本に帰国してからも、自然とジェイ先生から教わったことは身についていて、これまで大きな事故を起こすことも、事故に巻き込まれることもなく、また「交通違反」をすることもなく、無事にドライビングライフを続けていられているのも、ロサンゼルスでのあのコリアンのジェイ先生の厳しい教えがあったからこそだと今ではとても感謝しています!

ジェイ先生、本当にありがとうございました!!心から感謝しています。

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オリジナルの初号で「ジェイ先生」から受けたこの車の教習授業に関するブログ006を書き終わらせアップさせて頂いたところ「あの先生はその後どうなったの?」というお問い合わせをいただきました。実は、その続きのエピソードがあり、それもブログの中で書かせて頂きました。

その顛末は以下のブログをお読みになってみてください!

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ジェイ先生の後日談 ①

ロサンゼルスの駐在生活をしているとよく聞こえてくる話で、旦那さんと一緒に日本からやってきている駐在員の奥さんが文化や生活習慣の違う国での生活に馴染めずにだんだんとノイローゼ状態になってしまい、旦那さんを一人残して日本に突然帰ってしまう事があるというのです。

赴任後、一か月ちょっとして「暴動」に巻き込まれてしまった経験から私としては、自分が仕事をしている間、彼女には出来る限り家の中にいてもらいたいと思っていました。その方が安全だし何よりも安心出来たので。それに彼女も私同様「筋金入りのペーパードライバー」だったので、簡単には車で移動することなどは無理な状況でした。

車社会のロサンゼルスでは、202年の今では地下鉄に乗ればいいのかもしれませんが、当時はまだ地下鉄が整備されていない状況でしたから、運転が出来ないとどこにも行けずにじっと部屋の中にいるか友人に迎えに来てもらわないと出かけられない状態な訳です。さすがに3ケ月が過ぎた頃、当然と言えば当然なのですが「このままだとノイローゼになってしまいそう。だから私も車の運転が出来るようになりたい。」と言い出しました。

「ノイローゼになって日本に帰られでもしたら、そいつは困る」と思い、彼女にも車の教習を受けてもらうことにしました。私自身の経験から教官選びはとても大切なことは重々分かっていたので、彼女には「日系の女性の先生で限りなく優しい人」に教えてもらいたいと考えました。

そして、その翌日、何人もの教官が所属している馴染みの自動車学校のオフィスに電話をかけて「以前、こちらのスクールの先生にお世話になった高岡と言いますが、今度は私の家内の方の教習をお願いしたいと思い、ご連絡いたしました。女性には女性の教官の方がいいかと思っており、是非とも日系人の優しい女性の先生をお願いしたいのですが・・・」と要望を伝えてみたところ、以前所属していた年配の優しい女性教官の方はつい最近年齢が高年齢になったことから本人から辞めたいとの申し出があって退社してしまったとの事。他にいる女性の先生達はすでに予約がいっぱいで、少し待ってもらえるのであれば女性教官のうち一人が空いてくるとのこと。

「男性教官でよろしければ、ミスタータカオカのご主人様を担当させて頂きましたジェイであれば、今日、前の生徒さんの授業がすべて終了する予定ですので、タイミング的には丁度良いのですが、あいにく他の男性教官も他の生徒さんの予約が全部入っている状況なのですが、いかがいたしますか?」とのこと。

心の中で「うわっ、マジかよ、なんてこったい?!」

気持ちがいっぺんにどんより曇ってしまいました。当時の私は、まだジェイ先生の教えのありがたみを思い知る前でもあり、兎に角、キツい言葉を発する恐いイメージが強烈に残っていたので・・・。

とりあえず、その日はその電話を切って、家内と相談することにしました。すると案の定、その晩「あたしは、一日も早く車を運転出来るようになって、自分のペースで英語を習いにいったり、スーパーマーケットに行けるようになりたいの!!だから、兎に角、早く教習を受けたいの!!もうそのジェイ先生っていう人でいいから、早く予約を入れて頂戴!!」。人の心配も何のその、兎に角、「ドライビングスクールに明日、予約の電話を入れて頂戴!」の一点張り。「ジェイ先生がどういう先生か、君も知ってるよねぇ?あの厳しさは尋常ではないよ。俺が教習を受けていた時、連日俺が文句をばっかり言っていたのをあなたも覚えているでしょ。あなた、耐えられるの???」

「あなたが出来て、どうして私が出来ないのよ?待っているよりも始めてしまえばいいのよ! だから『ジェイ先生』でいいので!!進めて!!」と結構ヒステリー気味!

他の自動車スクールを探せば、他にいくらでもあるのでしょうが、すぐに授業を受けたいとの家内の勢いに押し切らて、その翌日、私は重い気持ちで自動車スクールのオフィスに連絡を入れて「ジェイ先生の授業を受けたいので、パークラブレアまで迎えに来てほしい」と家の住所を伝えて、最初の授業を待つことにしました。