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ロサンゼルス駐在生活体験記:ジェイ先生の後日談② 【再掲載 034】              

ジェイ先生の後日談②    

初日の教習を終えて戻ってきた家内は、とてもゲッソリしていて、家に帰ってからも「何なのあの人!」「何様のつもりよ!」と一人でぼそぼそと文句をたらたらと言いはじめました。でも自分で「ジェイ先生」でよいと言った手前、私に直接文句をいうようなことはありませんでした。その日は精神的に疲れたらしく、ぐっすりと眠っていました。二日目、三日目と連日、授業は続いていきました。そして家に戻ってくると 

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上はあくまでイメージ画像。この作品はErika WittliebによるPixabayからの画像。

翌朝も「何よ、あのおやじ!」「あんであの人にあんな言い方されなきゃいけないの?」とやはり思っていたとおりジェイ先生への不満ばかりを口にしていました。次の日も教習の授業があるというので、会社に行く前にジェイ先生に「お手柔らかに」と軽くお願いをしておこうと思い、その日は早く寝ることにしました。

 (※英語で「お手柔らかに」は Please have a heart. というのだそうです(笑))

ジェイ先生が来る時間になったので、家内より先に家を出て一人でジェイ先生に挨拶をしにいきました。まずは「おはようございます」から伝えて、一瞬・相手がジョイ先生であることを忘れて「どうですか家内の運転は?」と聞いてしまったのが運のつき。

あの笑わない目の奥がギラリと光り

「奥さんの運転、ひどいね!あなた自分の運転ひどかったこと、おぼえてる?あなたなんてもんじゃないよ、ひどいにもほどがるるよ!」

いや~、自分のことを言われると思わなかったのと「ほどがるるよ!」と来たもんだ。

すっかり「お手柔らかに」と言うことが出来ずにいると

 

「あんな運転では他の人の命の保証が出来なくなってしまう。ですから今日もびしびしとやらせて頂きますよ、ミスタータカオカ」

「そうですね~、彼女はともかく他人様に何かあっては困るので、今日もよろしくお願いします。」

とまったく言いたいことを言えずに、逆に厳しさに油を注ぐようなことになってしまいました。

 

ほどなく家内がやってきて、二人を授業に送りだして私は仕事に向かいました。

その日、仕事を終えて家に帰ると、家内はいきなり「もう教習やめる」と言い出しました。どうしたのかと聞くともうジェイ先生の言葉の強さについていけないというのです。手洗い、うがい、着替えを済ませて、晩御飯を食べながら、より詳しく事情をきいてみることにしました。

今日の教習の中で、どうも怖い目にあったようなのです。家内の話しによると、一般道路で信号が黄色になったので生真面目なところのある家内は「黄色だ!ブレーキ!」と思って、思いっきりブレーキを踏んでしまったのだそうです。するとジェイ先生が「あぶな~い!」と叫ぶのと同時に、まだ行けると思っていた後続の車から急ブレーキをかけるキキ~という大きな音がして、すんでの所で後ろの車が止まることになり、それと同時に後ろの車に乗っていたドライバーのカップルから大きな声で「罵声」を浴びせられたようなのです。

このことがあってから家内は怖くなってしまい運転がおぼつかなくなってしまったので、今日の授業はそうそうに打ち切りになったのだそうです。「急ブレーキ」の一件で、恐らくジェイ先生からもかなりきつい言葉を言われてしまったのではないかと思います。そうでなければ「もう教習はやめる」とまでは言い出さないでしょうから。もう4回も授業を行っているので、お金のこともあるけれど、折角ここまで来ているのだから、何んとか耐えてやり続けてほしいと思いました。

 考えてみると私自身が良い例でした。精神的にかなりきつい言葉を連日浴びせられて「どうして先輩はこの人を紹介してくれたんだろう?」と先輩を恨んだ時もありました。でも、彼の教えは実に正しいのです。授業の中で「彼は自分は今のあなただけでなく将来のあなたにも教えているんです!」ということを言っていた事を思い出します。

大袈裟に聞こえるかもしれませんが、すべて・あらゆる「道・ジャンル」には「基礎・基本」というものがあり「慣れてくれば慣れてくるほどその『基礎・基本』」に心の中で瞬時のうちに立ち返り、それが出来る人になる、すると事故は起こらない。野球であればエラーは起こらいない、楽器であればうっかりミスはなくなるはずですし、コックさんは美味しい料理が作り続けられていく。

ジェイ先生の教えの中で今でも守り続けている教えの一つが以下になります。

「一般道であってもフリーウェイでも、前の車との車間距離をしっかりと取ってください。とくにフリーウェイでは前の車には近づかない。もちろん渋滞時は別ですが、フリーウェイで物凄いスピードで近づいてきて、前の車のすぐ後ろにぴったりとくっついて走っている車がありますが、あれでは前の車に何かあったら避けようがありません。他の人が何んと言おうが、私はあなたに言っているんです。あなたには事故に巻き込まれてほしくないから。いいですか、前の車との車間距離、十分に取ってください。前の車に何かあっても避けられる距離があれば、あなたは助かるのですから、いいですね。」

私は家内に「ジェイ先生は恐くて嫌なことを言う人」だということは重々知っている、だけれども、フリーウェイはまだうまく乗れないけれど、一般道路は普通に運転が出来るようになっている、これはやはりジェイ先生の御かげだと思うということを話しました。すると徐々に彼女も考えを変えてくれて、一度は二人してドライビングスクールに「やめる」ことを電話しようというところまで行っていたのですが、このまま続けるということになりました。でもこれはやはり「折角、ロサンゼルスで暮らしているのだから、自分で色々なところに自由に行けるようになりたい。」という彼女の強い気持ちがそうさせたのだと思います。

その後も授業が終わるたびに、ぶつぶつと不満を言って帰って来てはいましたが「先生のきつい言葉」にも慣れてきたのか「止める」とは二度と言いませんでした。そして最後まで続けてみせるという日々意気込みを感じるようになっていました。ジェイ先生との教習も終盤になってきたある日のこと・・・。 つづく