東京で「パラリンピック」が行われた時、テレビを見ていた時にアナウンサーから「体に障害のある人たちの総人口に占める割合は15%もあるのです」というコメントを聞いた時、正直そんなに「高い比率」なのかと思いました。
現在、世界の総人口は78億人。その15%となると11億強という数字になります。この世の中には今、体にハンディキャップを抱えながらも人生の歩み続けている人たちが11億人もいるとは本当に驚きです。およそ1億2500万人が現在の日本の総人口数ですから遥かに凌駕する数の人たちなんですね。 ハンディキャップのない所謂「健常者」であってもハンディキャップを持っている方々の「生き方」「作品」「書籍」「作曲した曲」などに触れたりすることは、間接的にではあるかもしれませんが、関わりを持って生活をしていることは確かなわけです。私はスティービー・ワンダーの曲をよく聞きますが、彼もまた盲目のミュージシャンですからね。 ========================================================= 2023年という新年を迎えて、あっという間にもう2月です。今年のお正月に観たテレビ番組では「3月には野球のWBCが行われますね。」などと報道されていたのですが、今日2月19日などは情報番組でWBCに備えて宮崎のキャンプに参加するダルビッシュ投手や代表選手たちの様子を伝えていましたね。いやいや、時の過ぎるのは、早いものです。 すでに時期外れの話題で恐縮なのですが、今日は1月の「お正月」の時期になると耳にするお琴の名曲がありますよねぇ。そうです「春の海」です。「え?どういうやつだっけ」という方の為に以下にその曲をご用意いたしました。 ※お聞きになる場合は、以下の「国立国会図書館デジタルコレクション」をクリックしてもらい、右下の方にある「プレイボタン」を押してお聞きになってみてください! この「春の海」という曲は1929年(昭和4年)に宮城道雄さんという方が35歳の時に作曲した曲なのですが、実は、彼は7歳の時に失明してしまいました。幼い日の道雄氏は「お琴」と「尺八」を覚えて、父を助けて家計を支える手伝いをしており、お琴に関しては11歳で「免許皆伝」を受けているのです。14歳の時に「水の変態」という曲を作曲をして「伊藤博文」に認められました。「伊藤博文」は彼を東京に上京させて面倒を見るつもりでいたようなのですが、暗殺されたしまったが為に、これは叶わぬ夢となりました。 日本にも他の国にも「盲目のピアニスト」「盲目のバイオリニスト」と呼ばれる素晴らしい演奏家の方々がいらっしゃいますよね。目が見えないにも関わらずというよりも、おそらく目が見えないからこそ、鍛錬を積み重ねる「努力出来る才能」がある人は、その才能に自らの努力で更に研ぎ澄まされた能力へと高めていき、その道で突出した能力が発揮させていくのでしょうね。 ======================================= 話し変わって、ここからはメキシコのグアダラハラという都市で暮らす「アドリアナ・マシアスさん」という女性のことを書かせていただきます。私は彼女のことを知ったのは「ザ!世界仰天ニュース」(2020/02/29放送)という日テレのテレビ番組でした。 彼女は両腕がない体で生まれてきました。その分、両足の指がまるで手の平の指のような働きをしているのです。両足をつかって車も運転するし、お化粧もするし、付けまつ毛もつける。そして、足で料理もするのです。たまごも器用に割るし、お寿司が好きなことから「お箸」が使えるように猛特訓。電気製品のコンセントも足で入れるし、ヘアードライヤーも足で行うのです。何とボタンつけのお裁縫までもこなすのです。出来ないことは「背中をかく」ことと「ピアス」をつけることなのだそう。 彼女は負けず嫌いの性格で大学も「法学部」を卒業して、弁護士になったのですが、両手がないということで仕事の依頼はなく、絶望したこともあったそうです。そんな時、友人が勤務する会社から「講演」してほしいとの依頼があったのだそうです。この「講演」が評判となり、テレビのインタビュー取材を受ける機会にも繋がっていくことになりメキシコ国内では知らない人がいないほどの有名人になってしまったのです。 彼女は2008年に結婚して2015年に「女の子、メリテルちゃん」を出産しました。ですが2019年に離婚してシングルマザーとなってしまったのですが一人で子育てに取り組んでいるのです。そして、ファッション・デザイナーとチェロの演奏という新しいことに挑戦しています。 彼女は言っています。「出来ないことを一つずつクリアしていくことに喜びを感じる」 彼女の生活ぶりをテレビでは「奇跡」だと紹介していました。でも、きっとアドリアナさん本人からすると「奇跡」でも何でもないのかもしれません。「腕はないけれど、したいことをする為に足で出来ることは『足』を使ってやっているまでのこと」と言われてしまいそうです。確かに人に頼むよりも「足で出来ることはやってしまった方が早いし、彼女にとっては楽なの」でしょうから。健常者に比べたら時間がかかるという難点はあるものの普通の日常生活は自分一人で送れているわけです。 我々両腕がある健常者であっても「料理が出来ない」「裁縫が出来ない」「自分の部屋なのに掃除をしようとしない」と出来る筈なのに自分でしようとしていない人は、私を含めて、彼女の行動力を見て、多くを学ぶ必要があるのかもしれませんねぇ。すべてを足で行ってしまう彼女の姿を前にすると、何もしないでいる我々の方が恥ずかしい気持ちになってきてしまいます! 我々は時として「そんなこと出来るわけないじゃん。」と頭から決めつけてしまいますが、「常識」という言葉の下、自らリミッター・限界を設けてしまい、はなから挑戦することを止めてしまっているのではないでしょうか? まずは「常識」に囚われることのないように注意して 「出来ないことにチャレンジして一つずつ出来るようにしていく!」そう心がけて実行に踏み切ることも「心の才能」に加えていきましょうよ!!