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【人生ほど重いパンチはない】「想像を超える人の存在」は我々の常識を打ち破ってくれます: 後編 【再掲出21】

今回のブログは「想像を超える人の存在」は我々の常識を打ち破って「人間の可能性」の「箍(たが)を外してくれます」!という内容の前回ブログの続きになります!

前回の主人公・シャウル・ラダニー氏についてのお話しの続きです。彼は戦地から戻るとようやく「勉学」と「競歩」に費やす時間が持てるようになります。

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そんな彼にも穏やかな時間が流れ始めていき「競歩」に熱中する時間も持てるようになります。そしてイスラエルにおける「競歩」代表選手に選出されます。この事によって彼はまたもや「辛い事件」に巻き込まれて行ってしまいます。シャウル・ラダニー氏は、1972年に「競歩」の代表選手としてドイツのミュンヘンで行われたオリンピックに出場します。しかしながらです、彼はパレスチナ・ゲリラによる「イスラエル選手宿舎占拠テロ」に遭遇してしまうのです。

オリンピックの試合に出場した彼の「競歩」の成績は入賞には至りませんでした。試合を終えて宿舎で就寝しようとしていた矢先「アラブの襲撃だ」という仲間の声が、部屋の外から聞こえてきて、廊下に出ると「血のり」が広がっており「おやすみ」の挨拶をしたレスリングの監督が死んでいたそうです。シャウル・ラダニー氏は「通報しなければ」という思いからベランダに出て宿舎からの脱出を試みて成功したのです。その後、ゲリラは選手や監督を人質にとり、イスラエルが収監しているゲリラたちの仲間の釈放を要求。その後の救出作戦は失敗となり、11人(選手5名、スタッフ関係者6名)全員が死亡してしまったのです。

シャウル・ラダニー氏は、仲間のひつぎとともに、帰国した際に「死んだ仲間の分まで精いっぱい生きよう」と誓ったのだそうです。

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スティーブン・スピルバーグの監督作品「ミュンヘン」では冒頭のパートに於いて「ミュンヘン五輪」に於けるパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手宿舎襲撃の模様が描かれています。映画の中ではかなり緊迫した血生臭い現場が描かれているのですが、あの現場にシャウル・ラダニー氏がいて、あそこから「逃げ切った」ということですから、このラダニー氏、彼は自分でも「私は幸運に恵まれています」と言っているのですが、本当に「強運の持ち主」だと思ってしまいます!

 

この新聞記事を書いたライターの三井美奈さんは、

「  強靭な精神で苦難を乗り越えてきた鉄人。前向きに生きることが、幸運を呼び込む最大の秘訣のようだ。」

だと記事を結んでいます。

( ここまでは2008年8月22日の読売新聞の夕刊に掲載された記事を基に書かせていただきました。この記事の時点でのシャウル・ラダニー氏の年齢は72歳でした。

現在2023年2月。私がラダニー氏の事を知る事になったこの記事の掲載からおよそ15年が経っています。

2012年、75歳でも一日最低15キロは歩く生活を続けており、コロナ前まではコンスタントに歩いていたのだそうですが、昨年2020年はさすがに「コロナ禍」ということで、思うようには歩けていないようです。

(※2023.02.14.現在のラダニーさんの情報が未確認なのですが、おそらく現在86歳になられていると思われます)

5歳の時、親戚など多くの知り合いが空爆で命を落としたにも関わらず、母と地下室にいたことから難を逃れたことに始まり、強制収容所に入れられるが終戦となり6ケ月ぶりに自由の身となり、その後、3度、戦争に参加して戦地で「砲兵」として戦い、無事に帰国。そして「ミュンヘン五輪」でのゲリラ事件への遭遇するも一命を取り留めている。66歳でりんぱ節にガンがみつかり治療に専念と、彼が体験してきた事柄は、どれ一つをとっても普通の人の人生に照らし合わせてみた場合、そのどれもが「大事件」と言っていい大きな出来事ばかりです。

確かに彼は「幸運に恵まれて」という表現を使って自分の半生を思い返してはいますが、でもこれだけの試練・難局を乗り越えるには「それに耐えうる肉体」が必要ですし「折れない精神」を養っておかなければ、いざという時に足がすくんでしまい、思うように動けないのではないでしょうか。ミュンヘンでゲリラに襲われた時、ラダニーさんはベランダから逃げて、銃弾を被弾することなく逃げ切ることが出来たわけですが、常日頃から「鍛錬」していなければ、戦地で前に進む「体」にはなっていないでしょうし、瞬時に判断する際の「腹/胆」も据わっていなかったように思います! 

私などは彼の足元にも及ばないのは確かな事なのですが、

「鍛錬」!この言葉の意味するところを会得したいという気持ちだけは持っていたいと思います!!