一流人じゃなくても夢は叶えられる!

英語を学び、映画を見まくったことで夢は叶えられた!

【英語/映画/旅行が好きな方向け】ロサンゼルス駐在生活体験記 020 私が会えた美人女優             

6.ここはスターに会える町

ある土曜日の昼過ぎ、私がサンセット通りにあるタワーレコードのビデオ店に一人ぶらっと立ち寄った時のこと。入り口を入るとすぐ右手のレンタルコーナーにサングラスをかけたキュートな女性がいるのが目に入りました。「やけに可愛らしい、いや素敵な女性がいるなぁ。」とは思ったのですが、今にして思えば彼女のキュートさに気づいたのは彼女のオーラが強かったからなのだと思います。私はまっすぐにセルビデオのコーナーに行き、面白いビデオはないかなぁと探しはじめました。(この頃はまだDVDではなくVHSビデオテープが主流)ほどなくして、さっきの素敵な雰囲気の女性がレジの方に何本かレンタルビデオをもってやってきました。そして、手にしているビデオの内容をスタッフに尋ね始めました。どうも耳に障害があるらしく店員に話しかける彼女の声はこもっているように聞こえました。お店の店員さん達はとても親切で大きな声でストーリーを説明してあげていました。お店の人と会話を始めた彼女の声を以前どこかで聞いたことがあったように感じたので、ふと視線を彼女の方に向けました。身長は157センチくらいでしょうか、体にぴったりとフィットした薄茶色のニットシャツと淡い紺色のジーンズ姿のその女性は髪を後ろに束ねてポニーテールにしていました。支払いをクレジットカードにしたので、伝票にサインをする為にサングラスを外したその顔をみた時、私の体に電流が走りました(大袈裟かも)。そこに立っている女性は当時の私の憧れていた女優の一人、マーリー・マトリンその人本人じゃありませんか。誰それ?という方もいるかと思いますが、第59回アカデミー賞で「愛は静けさの中に」という作品で聾唖者にも関わらず見事アカデミー賞・主演女優賞を受賞した美人女優さんなんです。

 白くて美しい素肌、キラキラと光るその瞳に私の脳みそが一挙にふつふつ沸き立っていくのが分かりました。心の中は「うわぁ~、マーリー・マトリンがいる。」と動揺しているのですが、そのことを悟られないように必死に冷静を取り繕っていました。支払いを済ませると店員たちにお礼を言って彼女はさぁっと店を出ていきました。その後を追うつもりはなかったのですが、無意識のうちに体が動いており、私も彼女を追って店の外に出てしまいました。

彼女は自分の白いベンツのオープンカーに颯爽と乗り込んだかと思うと、一瞬、私に目配せしてくれてしなやかにさぁ~と車を走らせて行ってしまいました。いやはやロサンゼルスという町はほんとにハリウッドスターに会える町なのだと実感した日でした。

さて、その日からおよそ2週間が過ぎたある日のランチでの出来事。その日はビバリーセンターのフードコードでランチをすることにしました。その日は平日だったのでフードコートはそれほど混んではいませんでした。一人パスタと飲み物を買ってテーブルにつきました。すると私から3メール位離れた斜め前のテーブルで仲良くランチを食べながらおしゃべりをしている母親と娘らしい二人組がいました。母親は背中しか見えなかったのですが、顔が見える娘の方はロングヘアにサングラスをしていて一生懸命に母親に話しかけているのが見えました。

自分もパスタを食べ始めましたが、どうも母と娘はところどころ手話で会話をしているようでした。聞こえてくる声がまたもや聞き覚えのある声だったので「あれ、あのこもって聞こえる声の持ち主は、もしかして、私の憧れのまたあの美女?の声では?えっ、でもまさか!」そんな偶然があるのかと思っていると、母親への話しに夢中になりだした娘さんがサングラスを外した瞬間、

パスタを食べているフォークを持つ右手から頭を経由して左へ「電流」が走りました。なんという偶然でしょう!またもや目の前に「マーリー・マトリン」が再びの降臨!!これは現実なのか?

急にそわそわする訳にもいかず、なぜかおもむろに軽く両手を上にあげて背伸びをしたりなんかして・・。すると彼女の目線が一瞬私を捉えました。私はなぜか「しまった!」と思いました。きっと彼女は「2週間前にレンタルビデオ屋にいた変なアジア人がまたいる、あれっ同一人物じゃないの?」と思っているに違いない、「え、まさか、彼女、『俺のことストーカーじゃないかしら。』」なんて思いだしてない?大丈夫か?などと一人余計なことを考え出しました。「これは、早いところパスタを食べてしまい席を立ってしまおう。」と思うともの凄いスピードでパスタを頬張りだしました。そのスピードに彼女は気づいたのだろうか、母との会話の間、一瞬笑いをコラえる顔をしたように見えたのです。「おれの思い過ごしか?」。いや、ちらっとみた彼女の目は笑っていた!いや、単に母親の話しが面白かっただけに違いない。

先にランチを始めていたあちらの親子の方が先に食べ終わって、二人で話しに夢中になりながら、口をふきながら席を立つ親子。その後、マーリーはこちらには目も向けずにエレベーターの方に向かって歩いて行きました。

仕事を終えて家に帰り、ランチ時のこの事を家内に話したら『彼女があなたのことを覚えている筈ないでしょ。』と一蹴されてしまいました。

2020年現在、マーリーはその後、警察官の男性と結婚して今や4人の子供達の母として幸せに暮らしていると聞きます。

今の若い人に「マーリー・マトリン」と言ってもぴんと来ないかもしれませんが、今で言えば、彼女の美しさはマーゴット・ロビー、ガル・ガドット、ブリー・ラーソンらと肩を並べられるくらい綺麗で素敵な女性なのです。私の主観もかなり入っているとは思いますが・・・・。

家内は家内でモンタナという通りで昼間歩いていたら女性の友人と二人で歩いているミッシェル・ファイファーに出くわしたと言ってその日の晩はとても興奮していましたし、ある日本人の友人は、ビバリーコネクションの中の大きな本屋さんで一人静かに本を読んでいるウィノナ・ライダーに遭遇したと言っていたし、みんな普通に生活していると町のあちらこちらでハリウッドスターに会ったという話しが聞こえてくるので、やはりこの町は、スターたちも普通に暮らしているからこそ普通に会える町なのだなぁを思いました。

つづく