10.ワシントンD.C. その① D.C.何だっけ?
アメリカのテレビのニュースを見ていると中継した場所の地名をレポーターなどが最後に伝えることが多い。日本だと「大分からお伝えしました」とか「六本木からは以上です」とか言いますが、アメリカの場合は「From New York」「From Hollywood」とその中継した場所を最後に伝えることが多いのです。そしてアメリカのニュース番組ではよく「Capitol Hill, キャピトルヒル」という地名で終わるパターンが結構多いことに気づきました。生活していると頻繁に耳に入ってくるようになった、この「キャピトルヒル」。気になりだすと、もやもやが付きまとうので、ちゃんと調べてみることにしました。するとアメリカの「国会議事堂が小高い丘に建てられている」ことから「Capitol Hill(キャピトルヒル)」と呼ばれているということが分かりました。それ故に国会近くからの中継の際には「キャピトルヒル」で終わるケースが多いのだなぁと納得!!
実際にワシントンD.C.を訪れて、国会議事堂を自分の目で見てみたらカッコいいというよりも、なんと驚くなかれ綺麗なのです。実物があまりにも綺麗だったのでその時も「PLANET HOLLYWOOD ワシントンD.C.店」に立ち寄ってこの国会議事堂が描かれているTシャルを買ってしまいました。しばらくはこれがお気に入りのTシャツのNO.1になり、こればかりを着ておりました。10枚くらい買っときゃよかった!
アメリカには大きなワシントンが2つあります。まずは「ワシントンD.C.」ですが正式名称は「Whasington, District of Columbia」で日本語に訳すと「ワシントン・コロンビア特別行政区」となり、初代大統領であるジョージ・ワシントン(George Whasington)とアメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)からの由来で名付けれられています。場所としてはニューヨークの下の方に位置する場所にあるので東海岸にあります。
もう一つの大きなワシントンは西海岸の最北の州で首都は野球のシアトルマリナーズで有名なシアトルです。こちらのワシントンはワシントンD.C.と区別する為に「ワシントン州」と呼ぶようになっているのだそうです。「西海岸」でいうと「ワシントン州」の下に「オレゴン州」があり、その下が「カリフォルニア州」になります。もう西海岸だけでもデカい、デカすぎる!!
小さなワシントンになるとどうなのでしょうね、ロサンゼルス市内のベニスビーチ方面にWashington Boulevardという通りがありますが、その他の州にもやはりワシントンがつく通りがいくつもあるようです。
ロサンゼルスからワシントンD.C.(ダレス国際空港)へ飛行機で行くとおよそ5時間のフライトになり、日本からは直行便であれば約12間30分かかります。
私が当時、休暇で訪れた際の目的(楽しみ)は、ホワイトハウスの見学、国会議事堂、リンカーン記念館、ワシントン記念塔、それとここには様々な博物館や美術館がありますから、それらを見学することでした。ワシントンD.C.では「食べる」ことよりも「見たり・学んだり」する機会が多いので「食欲」よりも「知識欲の旺盛」な人向けの都市だと言えるかもしれません。
ローランド・エメリッヒ監督作、映画「ホワイトハウス・ダウン」はテロリストにホワイトハウスが乗っ取られてしまうというアクション映画で、それこそホワイトハウスの中と外の様子がよく分かる作品になっていると思います。冒頭はジェイミー・フォックス扮する大統領を乗せたヘリコプターがホワイトハウスに夜、帰還するシーンから始まります。
ヘリコプターがホワイトハウスの広い庭に降りる際に護衛の関係者たちが町全体に怪しい人影や動きがないかどうかをチェックするシーンがあるのですが、最近はさまざまな形でのテロが想定されるので、そういうチェックは絶対に欠かせない任務になっているのだと思います。確かに2001年の9月に発生したアメリカ同時多発テロ以降、さまざまな機関・団体・会社等での警備が厳重になってしまったのはいたしかたのないことだと思います・・・。
私がワシントンD.C.を訪れた90年代の前半のホワイトハウスは、希望すれば容易に中を見学出来た筈だったと思います。手荷物検査は受けたとは思いますが、訪れた際に「こんなに簡単に中に入れていいの」と思ったくらいでしたから。そんなに厳しい審査があったという記憶がありません。私がガイドさんに連れられてホワイトハウスの中を見学していた時に、丁度、大きなヘリコプターがプロペラ音をたてながらお馴染みの庭に降りてきたので見学者たちから「大統領が着いたの?これから乗るの?」という会話が聞こえてきました。皆今到着したヘリコプターからクリントン大統領が降りてくるのでないかと思って庭に降りたヘリコプターから目を離そうとしません。ツアーのガイドさんは皆を次の部屋に誘導しようとするのですが、ヘリコプターが気になる見学者たちは、移動したくない為、ガイドさんがイライラしていたのを覚えています。結局、大統領は現れず終いだったので、見学ツアーは元のペースを取り戻しましたが。
後年、この一般への見学コースは予算削減を理由に中止となりましたが、確かに当時は容易に中に入れてしまっていたので、見学者の中にテロリストが混じっていたらと思うとぞっとします。(そんなに簡単には行かないでしょうが・・・)
2020年の現在はアメリカの国会議員に申請をして6ケ月くらい前に予約をしなければ中の見学が出来ないようになっています。厳しくなっていますが当然の処置であり、しばらくの間は仕方のないことだと思います。
DCの西側に「ポトマック」という川が流れています。そしてこの中央当たりにポトマック公園というところがあるのですが、ここは1912年に東京から3000本の桜の木が贈られて、今も3月、4月の春の時期になるとお花見をする習慣があるようです。
東京で採れた桜の芽が兵庫県伊丹市で苗木に育てられ、それが1912年に海を渡ってワシントンD.C.にやってきました。植物には害虫がつきものですが1912年に到着した木々の中には一本たりとも害虫がついているものがなかったといいます。これは偶然ではなく害虫の発生などがないようにしっかりと工夫と処置がなされてから発送されたからなのです。それが今、異国の地、ワシントンDCというアメリカの政治の中心地の近くの公園でみごとな花を咲かせるまでに成長しており、異国の人たちからも愛でられている現状を鑑みると日本人としてとても嬉しい限りであります!
今を生きる我々日本人は、先輩たちが過去に行ってきた細心の心配りというものをもっと学び自分達も行っていくべきではないでしょうか。害虫のいない木を送るという心くばりから「お・も・て・な・し」の基本中の基本を教えられたような気がします!
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つづき (次回もワシントンDC、エイブラハム・リンカーンについて書かせて頂きます。)