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【英語/映画/旅行が好きな方向け】ロサンゼルス駐在生活体験記 072 サンフランシスコ⑧「ジェームズ・スチュアート」,「蛍の光」&「借金の完済」!             

13.サンフランシスコ⑧「ジェームズ・スチュアート」,「蛍の光」&「借金の完済」!

前ブログ070,ではサンノゼという町に「ウィンチェスター・ミステリーハウス」という奇妙なお屋敷がある事とジェームズ・スチュアート主演の「めまい」という映画の舞台がサンフランシスコだというお話しをさせて頂きました。さて今回はもう少しジェームズ・スチュアートについて書かせて頂きます。

ジェームズ・スチュアート主演作品の「めまい」はサスペンス映画として昨今改めて高い評価を受けていますが、彼が主演をしている作品の中だと「素晴らしき哉、人生!」という作品が私の一押しなんです。この作品も「めまい」同様に高い評価を受けている作品ですが、如何せん1946年度の作品なので白黒映画の為、古いイメージがあって最近の若い人たちからは敬遠されがちなのですが、これは是非ともじっくりと観て頂きたい作品です。フランク・キャプラ監督の演出が少しばかりやり過ぎかなと思わなくもないのですが、見終わった後に心が豊になるというか「人生、もしかしたら捨てたもんじゃないかもしれない」という気にさせてくれるんです。感動がじわ~と心に沁みてくる名作、いやいや傑作と言っていいでしょう。

物語を極簡単に言ってしまうと、子供の頃からあまりツイていない少年だったジョージは、父の経営していた銀行業の会社を継ぎ、結婚をして4人の子供の父として幸せな家庭を持ち、町の仲間と平凡ながらも楽しい日々を過ごしていました。そんなある年のクリスマス、彼の会社に銀行監査が入り多額のお金を収める必要が出来てしまいます。ですが、経理担当の伯父がその多額の現金を紛失してしまうというアクシデントに見舞われます。そのお金がないと会社は立ちいかなくなってしまう為、支払いに窮したジョージは大きな川にかかる橋の上から身を投げようと身を乗り出します。するとそこに自分は神様に遣わされた天使だという年配に近い男性クラレンスが現われます。ジョージは彼に「こんなことになるんだったら自分は生まれてこなければよかったんだ!?」とこぼします。それを聞いたクラレンスは天使の力(?)によって、その次の瞬間から彼がこの世に生まれてこなかったという世界にしてしまいます。そして以後、彼のことを誰もが知らないという世界が彼を待ち受けています。妻だった女性メアリーは独身で図書館に勤めていますが、会っても彼のことがまったく分かりません。馴染みのバーに行ってもあんたのことなど知らないと店主に言われてしまいます。自分のことをよく知っている筈の全ての人が自分を知らないという状況を前に彼は愕然とし自分が存在しない世界がどれほど空虚なものであるのかを痛いほど味わうことになります。そして「生まれてこなければよかった」と言ったことを後悔し姿を消してしまったクラレンスに向かって「どうか元の世界に戻してほしい。」と祈るのです。すると・・・・。

全部お話ししてしまうとこれからご覧になる方の楽しみがなくなってしまうので、言いたい気持ちを抑えて控えることにします。ですが一言、この作品はハッピーエンドで終わります。ラストは感動で涙が溢れて私は前が見えなくなりました。涙を誘う演出としてクライマックスにかかる音楽があります。その音楽のメロディーは何かというと日本人ならほとんどの人がお馴染みの「蛍の光」なのです。「蛍の光」は毎年大晦日に行われるNHKの「紅白歌合戦」のラストで歌合戦を終えた歌手たちが舞台上に全員集まって「その年をおくる」という気持ちをで合唱して幕を閉じますよね。

日本だと この「蛍の光」は「別れ」の曲のように思われていますが、この曲の原曲であるスコットランド民謡の「オールド・ラング・サイン」の歌詞は「別れ」を唄ったものではなくて「旧友と再会し思い出話をしつつ酒を酌み交わす」といった内容なのです。ですから映画「素晴らしき哉、人生!」のラストで流れる「蛍の光」の歌詞はおそらくこの後者の方の意味合いで使われているのだと思います!!

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RilsonavによるPixabayからの画像

お金の返済に関して脇道にそれますが、皆さん、湯澤剛さんという方の名前を聞いたことがあるでしょうか?この後はNHKの番組の受け売りになってしまうのですが、彼は疎遠だった父親が突然亡くなり居酒屋チェーンやサウナ、カラオケ店、雀荘などを運営する会社を継ぐことになってしまったのですが、社長になってからその会社には負債が積もりに積もって多額の借金のあるということを知ります。その負債総額はなんと40億円。彼は否応もなく36歳でこの負債を背負うことになってしまったのです。借金の魔の手は生まれたばかりの子供のいる妻のところにもおよび毎日のように督促の電話がかかってきます。段々と追い込まれていった彼は無意識のうちに電車に飛び込みそうにもなります。彼は不採算の事業をすべて止めて居酒屋チェーンのビジネスにリソースと意識を集中していきます。すると、この居酒屋チェーンの売り上げは段々とではありますが蘇っていくことになります。そして、いつしか利益を生む体質の企業になっていったのです。毎年毎年コツコツと返済をしていき9年が過ぎた時には借金の額を半分近くの22億円にまで減らすことが出来ました。しかしです。その後、売り上げ・返済を急ぐあまり一つの店舗が火事を起こしてしまい、別のお店では食中毒が発生してしまいまたもドン底に落ちてしまい、そこで喘ぐことになります。それでもそこからも更に復活を果たし、毎年毎年、まとまった金額の返済が出来るまでになり、そしてそして、何んと会社を引き継いでから苦節16年、ついにその借金の総額のすべてを完済することになるのです。(NHK, 20.8.3.にオンエアされた「逆転人生」より)全額の返済が出来たのは湯沢社長だけの功績ではなく社員全員の総力があってこそ成し得ることが出来た物凄い偉業だと思います。

この番組の中で完済をすることが出来た彼の姿に対して「人間はあきらめなければ何度でも逆転が出来る」と力強いナレーションが入っていました。

40億もの借金があればもう最初から立ち向かう気になれず、すぐに「GIVE UP」してしまいそうです。実際に湯澤氏も会社を継いだ当初は「もう自分の人生は終わった」と思ったそうです。会社法人とは言え40億もの借金があれば気が萎えてしまいチャレンジ精神が続かないと思ってしまいますが、実際に完済してしまった人がいるという事実にはただただ驚嘆してしまいます。映画や小説ではなく「事実・実績」なのだと思うと「人間はあきらめなければ何度でも挑戦することが出来るのだ!」と思える勇気と元気をもらえる素晴らしい実話だと思いました。凄い、凄すぎます!!彼は番組の中で辛かった時期のことを振り返って、次のように言っていました「渦中にいる時は分からないけれど、それもいつかは過ぎ去っていくのです。」と。

さて、お話しをジェームズ・スチュアートに戻しますが、1950年に彼が出演した西部劇の映画があります。映画はライフル銃の腕前を競う大会でジェームズ・スチュアート演じる主人公が敵役と優勝争いをするシーンからスタートします。この大会の優勝賞品が映画の題名にもなっている「ウィンチェスター銃’73」であり、ジェームズ・スチュアート扮する主人公が優勝を果たして、この優勝賞品の「ウィンチェスター銃1873」をものにします。この銃は時の大統領にもウィンチェスター社から献上されたというセリフがありますし、子供たちですらこの銃のことを「かっこいい」という目線で見ていますから当時のウィンチェスター銃の人気はやはりかなり高かったことがうかがえます。映画では、この後その銃が奪われてしまい、主人公が必死に取り返すまでの姿が描かれていきます。

ウィンチェスター社といえば、この前のブログ070、071で二代目社長の妻で未亡人になってしまったサラ夫人が銃で命を落した亡霊たちの怨念からミステリーハウスを建てて増築し続けた話をしましたがお金というのは借金で命を落す人もいれば、必死になって返済し続けて完済する人もいる。そしてサラ夫人のように有り余るほどのお金があるのに「亡霊たちの怨念」に取り憑かれてしまい一生涯心が休まらない人もいる。お金は何んとも扱いづらいものな訳ですねぇ。ほどほどが一番いいのかもしれませんね、ほどほどが。ほどほども持っていない私は淋しい限りですが、今のところ健康なので良しと考えることにします!!

「皆さん、健康が一番ですよ!」

つづく

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