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【英語/映画/旅行が好きな方向け】ロサンゼルス駐在生活体験記 089 マルチバースはどこまで許せる?  &  HOLLYWOODサインは誰が管理してるの?             

16.LAリターンズ⑭ マルチバースはどこまで許せる?  &  HOLLYWOODサインは誰が管理してるの?

今回の体験記089は、マルチバースのことを書いている077と088の続きです。マルチバースに関しては体験記077をお読み頂けますようお願いいたします。

マルチバースの考え方を使用して次元の壁を越えた設定にすると同じ人物・キャラクターが同一の画面の中に何人も登場するというシチュエーションが生まれます。今まであり得なかったことですよね。でも来年からはそういったシチュエーションの映画が増えていくことになります。 

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Alicia WestによるPixabayからの画像

ドラえもんの話しの中に「タイムトラベル」を利用して何人ものドラえもんが同一の画面の中に登場するというシーンがありましたが、これは同じ次元の中のドラえもんがタイムトラベルで時間をずらしてやってきては元の時間に帰っていくことの繰り返しによって実現したわけですが来年のトレンドになりそうな「マルチバース」は、違う次元の、違う地球から同一人物・キャラクターがやってくるということで性格が違っていたり、来ている服のセンスも違うという設定もありえるようなのです。バットマンやスーパーマンのようなスーパーヒーローは元々が空想活劇の中の現実にはありえない、存在しないキャラクターなので次元を越える設定でも映画を観る観客側からすると、空想活劇の中であれば、まあぁ何とか許してしまおうかという範疇のように思います。この「マルチバース」は考え方を乱用すると物語に現実味が薄れてしまって映画自体面白くなくなってしまう可能性があります。例えば仮に「ゴジラ」を倒すために他の地球から「ゴジラ」を出現させて「ゴジラ対ゴジラ」のような作品は、あり得るかもしれませんが、物語の結末をどうするかで破綻していきそうですし、もしもです、もしも日本のアニメの「おそ松くん」は六つ子の兄弟ですが、彼らがさまざまな次元の地球からやって来てしまったら、物語はもう収拾が付かない状態になってしまうのではないでしょうか?「パワレンジャー」しかりです。

ヒーローは唯一無二の存在だからこそヒーローなのかもしれません。でも日本ではヒーローはひとりだと思っていた時代、かなり古い昭和の話しになりますが、子供に絶大な人気を誇っていた「仮面ライダー」の主役・本郷猛を演じていた俳優:藤岡弘がオートバイ事故で撮影に参加出来なくなってしまい、急遽「仮面ライダー2号」を登場させました。しかも「仮面ライダー2号」の登場とともに人間から仮面ライダーになる時に「変身/へんしん」というかけ声に「ポーズ」がついて登場してきて、それが子供たちの人気を煽ることになりました。そして、この二人の仮面ライダーは「ひとり」が「ふたり」になることで「ダブルライダー」と呼ばれて、二人が力を合わせて悪に立ち向かうという「新しいヒーローのタッグ」という形に子供たちは更に熱狂しテレビの前に釘付け状態となったのです。それが1970年代です。

ハリウッドの映画製作者に御願いしたいのは「マルチバース」という考えは素晴らしいコンセプトなのですが、決して乱用せず物語に重厚さを加える手法として育てて行って頂きたいということです。

さてさて、今、唯一無二の存在ということでふと思ったのですが、銀幕の世界の中の話しではなく、ロサンゼルスという現実の町での話しとして「ハリウッドに於ける唯一無二」の存在とは何なのだろうかと考えた時に「チャイニーズシアター」は確かにそうなのですが、もう一つ「ハリウッドに於ける唯一無二」の存在として挙げなければならないものがありますよね、そうです、今やLAのシンボルともなっている「HOLLYWOODサイン」です。

このHOLLYWOODサインですが、映画の都・ハリウッドだからこそロサンゼルス市の商工会議所が率先して建設して観光の町・ハリウッドの広告塔とするべく建設したものだとばかり思っていたのですが、そうではなくて、最初は1923年にこの辺りの土地を開発して売ろうとする不動産屋が広告としてこのドデカイ看板を建てたのです。当時は「HOLLYWOODLAND」と「LAND」の文字が4文字ほど多かったのです。この不動産屋による商売はうまくいったのですが、その後、このサインはほったらかしの状態になってしまったようです。だんだんと錆びて朽ちていくこのサインをどうしたものかとLAの市民の間でも話題に上っていたりしたようなのですが、そこで業を煮やしたロサンゼルスの商工会議所が動き「LAND」の4文字を取り除いて1949年に修復作業を行い、現在の「HOLLYWOOD」となったわけなのです。そして、現在は「ハリウッド・サイン・トラスト」という非営利団体がこのサインの管理と修復作業の任を担っています。

それ以降はまさに「映画の都・ハリウッド」のシンボルとしてロサンゼルスの北の山の中腹にどんと構えており、ロサンゼルス・ハリウッドにやってくる人々に「夢」と「希望」を伝える大きな役割を果たすことになっているのです。

このHOLLYWOODサインにまつわる悲しい出来事があることを皆さんはご存じでしょうか?年配の方はご存じの方が多いかと思いますが、1932年にこのサインのHの文字の上から一人の女優が飛び降り自殺をしてしまいました。その日に限ってどういう訳か?サインの上に上がるハシゴを作業員が残していってしまい、彼女はそれを使って文字の上に上がってしまいます。彼女の名前はペグ・エントウィルス。彼女はイギリスのウェールズの舞台で注目を集め、その勢いでハリウッドにやってきて映画にも出演します。ですが、だんだんと女優としての勢いが落ちてしまい、いつしかオファーがまったくなくなってしまいます。落胆しきった彼女はついに「H」の文字の上から身を投げて命を絶ってしまったのです。残念なことです。

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Peter ThomasによるPixabayからの画像

役者志望の人のほとんどが「大スター」になるという夢を叶えらずに人生を終えるのかもしれません。でもその人がハリウッドに行けたとしたら、人生の中で例え短い間でも、自分の思い描いた環境の中で日常の日々を過ごすことが出来て、その人自身が「嬉しい」「最高だ」「やった!」という気持ちを胸にほんの短い間でも過ごすことが出来たのだとしたら、それが仮にその人だけの自己満足だったとしても、その人の願っていた「夢」と「想い」は叶ったも同然なのではないでしょうか。人から「賞賛」を得て人生を終えることが出来る人なんて、ほんの一握りの人なのですから!

今思い返すと1992年に日本からLAに駐在で訪れて3年4ケ月という短い間ではありましたがパークラブレアというアパートで暮らすことが出来、毎日迎える朝は、とても素晴らしいものでした。何しろ、毎朝、歯を磨きに風呂場の脱衣所に行き、北東に向いているアパートの窓を開けて北の山を見ると、その斜面には紛れもなく本物の「HOLLYWOOD」サインがどしんと横たわっていたのですから!!!

つづく