16.LAリターンズ⑮ 「ブレードランナー2049」のLA描写と男女の恋愛 & すでに空を飛んでいるジェットマンは凄いね!
映画「ブレードランナー」でリドリー・スコット監督は人間とレプリカント(人造人間)との「争い」と「恋愛」を描いていました。2017年に公開された「ブレードランナー 2049」でリドリー・スコットは製作総指揮となりドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が新型レプリカントがブレードランナーとなり旧型レプリカントの捜索を行うという新たな展開とその新型レプリカント(人造人間)の恋愛とはどういったものなのかを描いてくれています。
私は基本、自分のことを二流人間(最近は三流以下かもしれないけれど・)だと思っているんだけれど、基本的に単純なので「ブレードランナー」も「ブレードランナー2049」も高額の製作費を投じて未来の世界を映像として具現化して私たちに見させてくれてとても有難いなぁと思ってはいるのだけれども。
※以下は「ブレードランナー2049」の予告編の内の一つです。Youtubeより。
この2作品ともに映画だから空想の世界だと割り切って観れば腹のたちようもないのだけれども、舞台が私の大好きなロサンゼルスの未来だと思うとどうも納得がいかないのですねぇ~、これが。確かにコロナで今、カリフォルニアは大変な状況になっていますが、でも毎日どんより曇っているわけではない。人々の気持ちはどんより曇りっぱなしかもしれないけれど。それに車もまだ空を飛んでいない。でもそういう設定は納得出来ます。
でもでもです「ブレードランナー」の時代は2019年。その続編は30年後の未来の「2049」年。「スピナー」と呼ばれる空飛ぶ車が同様に曇ったLAの上空を滑空しています。続編の方に出てくる主人公が乗る「スピナー」は田島光二さんという日本人の新鋭デザイナーさんが描いてくれていて、そのデザインはとても良いのです。そして、私は続編の主人公や前作の主人公だったハリソン・フォードが扮する元刑事のデカードに絡むストーリー自体は嫌いではないのですが・・。
でもですよ、インターネットが生まれて世の中に浸透してからの日々の技術の進歩の速さは、我々が体験してきたどの時代にもないほどの速さで日々世の中を変えていっています。「ビッグデータ」と呼ばれている情報量の多さは「ビッグ」というワードでは足りないほどの天文学的な量・大きさに膨らんでいく筈です。そんな時代に「コロナが席捲している」のも奇妙な話しではありますが・・。何が言いたいのかというと、そんな技術の進歩が進む速度が速いにも関わらず「ブレードランナー」の続編はなぜオリジナルと同じ設定の空飛ぶ「スピーナー」しか登場させていないのでしょうか?LAの町中の広告もオリジナル版よりは進化していましたが、2049年のマーチャンダイジングはまだあのレベルなのでしょうか?今からおよそ30年後。私の場合、オリジナル版の舞台となった2019年という時代を生きて確認することが出来ました。
ですが「続編」の時代である「2049年」がどうなっているのかを確かめられるかどうかはわかりません。映画の中で2019年から30年たってもあまり技術的な進歩がない世界としてロサンゼルスの町が描かれているところが納得出来ないのです。
今年は2020年ですが、現実の世界ですでにジェットマンが登場しており、人が空を飛び始めているというのに2049年の世界では車なしにジェットマンのように人々が飛び交っている、そんな未来になっているような気がするのです。これから30年後以降の未来を描く映画の中では「車はもちろん、人も空を飛ぶ、アイアンマンやスーパーマンのように」という事であってほしいのです、だって映画なんですから!!
我々人類は、もう20世紀の頃からハングライダーやパラグライダーを使って空を飛んでいます。私はパラグライダーを使って空を飛ぶ姿が古いと言って全面否定する気は毛頭ありません。逆に素晴らしい趣味であり自分も可能であればやってみたいと思います。ただこれだけCGの技術が進んでいるのに「映画の作り手たち」が未来を描く時は未だに空を飛ぶのは「車」と「スーパーマン」と「竹コプター」しか出てきていないように思うのです。どうしてスクールバスは飛ばないの? どうして「車いす」は空を飛ばないの?ETがいないから?どうしてメリーポピンズのように傘で空は飛べないの?
そう思い出したのもJETMANが空を飛ぶ映像を5年くらい前に見てからなのです。初めて彼らが空を飛ぶ姿を見た時は「鳥肌」が立って、ついに人類はここまで来たのかと思いました。まだJETMANが飛ぶ姿を見たことがない方々の為にYoutubeにある彼らの映像を以下にお届けします。
「ブレードランナー2049」の主人公の恋愛はバーチャルリアリティーの恋愛なのです。家に帰ると実際の人間ではないけれど自分にとって理想の女性(映像)が出迎えてくれる。生身の人間と同様にすべてを記憶しちゃんと会話してくれる。今の2020年の時代、ゴーグルをつけるとそれに似たような疑似体験が出来るような素地はすでにあるから現実の世界にそういったものが登場してくるのも近いかもしれませんね。 ゴーグルなしで自分の理想の女性(実は映像)が出迎えてくれて、他の料理用機器と連結させておけば料理も作ってくれて、食後はリビングで一緒にテレビを見てくれて笑い合える。添い寝もしてくれるかもしれない。でもスィッチを切ると消えてしまう存在。そんな存在、いてほしいような、それならいらないような。でも一番魅かれるポイントがあるとすると、それは男性であれ、女性であれ、自分の理想とする異性の姿を具現化してみせてくれるというところではないでしょうか?そうなるとやっぱり一度は試してみたいかな!
もしかしたら亡くなった家族を復元したいという人もいるかもしれませんね。でも未来の話しをしていて一番面白いのは実は「誰にも邪魔されずに空想できる」ことなのではないでしょうか?どうですか?
つづく