4.ラスベガス、シークフリード&ロイのマジックショーは絶品中の絶品だった!
そういえばネバダ州には米軍の秘密基地である「エリア51」というのがあって、その基地の中で秘密裡に宇宙人が暮しているという噂もあったので一生懸命に夜空の中にUFOの姿を探してみましたが、それらしき飛行物体を私が見る事はありませんでした。
(しばらく後に、家内が友人と二人で昼間にロサンゼルスのミッドウィルシャーを車で走っているときダウンタウン方面の上空にオレンジ色に光る奇妙な物体がかなり高い上空に漂っているのを見たと言っていました。それは急に下降したかと思うと二人の目の前で突然消えたと言っていました。二人とも真顔で言っていたので何かしらが飛行していたのだと思います。)
この体験記042の中でシルク・ドゥ・ソレイユが多くの劇団員の解雇を行い事業の再生を図っていくことになったというとても残念なニュースをお伝えしました。
私がロサンゼルスで暮らしていた時代(92年から95年)に「我が世の春を謳歌」していたラスベガスのもう一組のスーパーエンターテイナーのことを今回は書かせてください。そうです、彼らの名は「シークフリード&ロイ」です!!
※英語表記は " Siegfried & Roy ". 日本語表記になると Siegfried が様々表記されています。「ジークフリード」「ジークフリート」「ジーグフリード」「シークフリード」。
このブログではシークフリードとさせて頂きます!
先日悲しいニュースがベガスから飛び込んできました。「シークフリード&ロイ」のロイことロイ・ホーンさん(75歳)がコロナにより亡くなられたとのこと。
シークフリード・フィッシャバッカー氏、1939年6月13日生まれ。ロイ・ホーン氏、1994年10月3日生まれ。こういう言い方は失礼かもしれませんが、2020年の夏現在、お二人とももう高齢になられていたのですね。
「シークフリード&ロイ」というマジシャンデュオの名前を知ったのは、彼らが東京の汐留でツムライリュージョンとして日本公演を1988年から89年にかけて行った時でした。この二人が日本で半年近くも公演していたのに当時は自分も若くて仕事に全身全霊を傾けていたので、彼らのマジックショーを東京で見るという機会を逃してしまいました。
彼らは二人とも元はドイツ生まれです。シークフリードの方はもう子供の頃にマジックに魅了されて、自らマジックを始めて、1956年(17歳)にイタリアに移りホテルで働き始めます。それから彼は客船の中で行われるマジックのパフォーマーの仕事を見つけます。この頃に船の中でウエイターをしていたロイに出会い、船でのマジックの仕事をする間、ロイにアシストをお願いすることになります。しかし、彼らはチータを船を乗せたことによってその仕事を首になってしまいます。二人はその後、コンビを組んでマジックをしていくことになります。実力のある彼らは、まずはブレメン、そしてパリのナイトクラブでショーを行いますが、行く先々で評判は上々だったのでしょう、1967年にはラスベガスから声がかかります、シークフリード28歳、ロイ23歳。それから彼らはラスベガスのさまざまなホテルでショーを行っていくことになります。動物を使ってのド派手な彼らのショーは日々人気度を高めていきます。
私が彼らのマジックショーを見ることが出来たのは1993年、94年の2度でした。確かミラージュホテルの中の大きな劇場だったと思います。88年の日本での公演の後、数年後の脂ののっていた全盛期の彼らの姿を見る事が出来ました。シークフリード54歳、ロイ49歳。兎に角、彼らのステージは大掛かりでド派手で長いマントを身に着けた二人が颯爽と登場してくると、そのまわりには舞台を盛り上げる他の男女の出演者も結構いました。そして、彼らの舞台を支える大事な共演者は彼らが愛する動物たちです。ホワイトタイガーを筆頭にライオン、チーターなど。極めつけは本物の「象」まで舞台上に登場してきましたから。
彼らも他のマジシャンが行う上半身と下半身が二つに割れてしまうというお決まりのマジックを行ったりはしますが、これは何となくですが、私も種・仕掛けが分かる気がするのですが、どう考えても絶対にその種・仕掛けが分からない次のようなマジックに唖然とさせられてしまったのです。
①舞台上の檻の中に閉じ込められた筈の「ロイ」が次の瞬間にはもう我々が座っている客席の横に置いてある箱から登場してくる!あり得ないでしょ?!
②2度目に見にいった時に行われた「ロイ」の空中浮遊。バックは一面黒い布の舞台です。そこに目を閉じて座っている「ロイ」が現れます。次第に彼の体が空中に浮きだします。だんだんと人の頭の高さを越えていきます。するとそばに現れたシークフリードが長いスティックを持ってきて、漂っている「ロイ」の四方八方、特に上部ですね、見えない線で吊らされていない事を証明するかのように、そのスティックで「ロイ」のまわりとぐるっとするのです。どうして浮いているのか?あり得ないでしょう?
③そして、私が一番驚いたのが「象」のマジックです。舞台上にのしのしと登場してくる「本物の大きな象」。確か「女性」だったか「ロイ」が上に乗っていたと思います。その象の前に立っているシークフリード。彼の指示でその象の前に大きな布があって、それで象の全面を覆って「象」の姿を見えなくします。すると次の瞬間、その布が上から離されて下に落下すると、もうそこには人間ともども「象」も舞台からいなくなっているのです。あんなに大きな象が一瞬にして舞台上から消えてしまったのです。それなのにどこからも移動しているような物音などは一切聞こえてこないのです。あり得ないでしょ?!
こんな凄いショーを見せつけられてはファンにならずにはいられません!連日連夜ショーは満席なわけですから、ホテルミラージュは2001年に高額な契約金で彼らと永久契約を結びました。シークフリード62歳、ロイ57歳。
しかしながらです。2003年の10月に悲劇は起こってしまいました。あろうことか舞台が行われている最中にいつも一緒にいてあれだけ愛情持って接し続けていたホワイトタイガーの一頭にロイが襲われてしまったのです。そして、重症を負ってしまった彼は生死の境を彷徨うことに。もちろん、それ以降、舞台は休演となってしまい、240人いたスタッフ・クルーは解散。舞台の公演回数も5750回でストップすることになりました。シークフリード64歳、ロイ59歳。重症となったロイは、その後、治療生活を何年も送ることになります。そして、残念ながら2009年にロイの方はマジック界からの完全引退を宣言します。
「シークフリード&ロイ」ほどスーパーなマジシャンはいないでしょう。願わくば、彼らと同様なパワーを持ち合わせたスーパーマジシャンに登場してもらいコロナ後のラスベガスをもう一度涌かせに湧かせまくってほしいものです。
話しが脇道にそれますが、ラスベガスにも日系人がやっているレストランがあったりするのですが、私が暮らしていた当時からしばらくの間「戸越ラーメン(Togoshi Ramen)」という美味しい中華料理のお店がありました。日本人ばかりか現地の人たちからも愛されていました。どうも2020年の現在、コロナに関係なく、結構前にお店が閉じられてしまったようなのです。ネットを見ると多くの現地アメリカ人が残念がっていますね!私もとても残念です!!「戸越ラーメン(Togoshi Ramen)」の関係者の皆さん、本当にありがとうございました!
つづく