5.ジョン・ウィリアムズのコンサートは映画空間そのものだったぞ!! その1
映画ファンであればこの作曲家の名前を知らない人はいないだろう。「スター・ウォーズ」ファンであれば彼抜きに「スター・ウォーズ」は語れないだろうし、スピルバーグファンも彼の存在を無視してはあの魅力溢れるスピルバーグ作品を語ることは出来ないでしょう。
壮大な宇宙の空間を思わせる「スター・ウォーズ」のテーマ。海の無法者グレートホワイトシャークが人間たちを襲う、あのリアル感いっぱいな「ジョーズ」のテーマ曲。それに最新 CG を駆使して恐竜を蘇らせた「ジュラシックパーク」。悲しい旋律でアカデミー作曲賞を受賞した「シンドラーのリスト」。彼の映画史に残る数々の名曲の御かげでどれだけ我々ファンの人生は喜びと感動に満ちたものになっているか!! 私はこの希代の天才作曲家「ジョン・ウィリアムズ氏」から感謝してもしきれないほどの「喜び」と「高揚感」をもらい続けています。彼には本当に「感謝の念」でいっぱいです。
繰り返しになってしまいますが、彼はスピルバーグが監督した作品のそのほとんどの作品の作曲を手がけています。「ジョーズ」「未知との遭遇」「 ET 」「インディジョーンズ三部作」「ジュラシックパーク」「シンドラーのリスト」などなどなど。
雑誌のインタビューでスピルバーグとコンビを組むことについて聞かれたジョン・ウィリアムズは「長年スティーヴンと一緒に仕事をしてきたので今ではツーカーの仲になっています。彼がどういうスコアを求めているのか彼と電話で話すだけで大体分かるようにまでなっています。例えば、私が「ジュラシックパーク」のために曲を作っていた時,スティーブン自身は「シンドラーのリスト」の撮影の為にポーランドにいました。 そういった事情もあり「ジュラシックパーク」の音楽は国際電話で全て打ち合わせを行ったんです。」というような内容の事を語っていました。ほとんど会うこともなく電話だけであのような素晴らしいスコアを作り上げてしまうのですから二人の関係はお見事としか言いようがありません。(※リモートワークの草分け的存在なのでしょうか?!)
それにしてもこの二人の天才が国際電話で話し合っている内容が一体どういったものなのかとても興味深いですね。万が一可能であれば一度聞いてみたいものです。
ジョン・ウィリアムズは1932年2月8日にニューヨークに生まれました。ちなみにスピルバーグは1946年12月18日生まれのオハイオ州シンシナティの出身。
ジョン・ウィリアムズは、16歳の時に家族とともにロサンゼルスに移ります。そしてUCLAに進学して作曲を学んで、しばしアメリカ空軍で演奏の奉仕活動(?)を行ったあと、ニューヨークに戻り、ジャズピアニストとして働いていました。その後、再びロサンゼルスに戻りテレビや映画の為の作曲活動をスタートさせます。1960年には数多くのテレビ番組を手掛けて、エミー賞を二度受賞しています。その後、彼は映画音楽の世界に進んでいきます。映画音楽における実績は、言わずもがななので、あとで整理して記述させて頂きます。
私は、アメリカで生活している中で彼のコンサートに2度ほど行く機会に恵まれました。今回はその時の模様をお話しさせて頂きます。
1994年8月5日、約1万8000人を収容出来るハリウッドボウルというコンサート会場で彼の指揮によるロサンゼルス・フィル・ハーモニックオーケストラによるコンサートがありました。日本にいた時から彼の音楽のファンでサントラCDもコレクションし続けていた私にとって彼自身の指揮による「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」のテーマを聞ける絶好のチャンスということで、コンサートがあることを知るやいなやチケットを購入してこの日が来るのを指折り待ち続けておりました。
待った甲斐があり無事に8月5日となり、天候も良好。演奏の開始は夜の8時30分からですが、私と家内が到着した8時10分の段階で会場はすでに超満員の状態で当然ながらその日のチケットはSOLD OUT(売切れ)でした。
この日の演目は以下のようなラインナップでした。
1.オリンピック・ファンファーレ
2.カウボーイ( The Cowboys - Overture )
3.ザ・リバー
4.スター・ウォーズ
休憩
5.レイダーズマーチ
6.未知との遭遇
7.ジュラシック・パーク のテーマ
8.オールウェイズ のテーマ
9.シンドラーのリスト のテーマ
10.E.T. アドヴェンチャー・オン・アース
演目の3曲目に「ザ・リバー」という曲がありますが、この曲の演奏に合わせて名優バージェス・メレディスが朗読をしてくれるというので、それはそれで楽しみなのでした。バージェス・メレディス(1907年11月16日生まれ)って誰?と思っている方、映画「ロッキー」で主人公ロッキーを鍛える老トレーナーのミッキーは分りますか?あの人ですよ、あの人。映画「ロッキー」も大好きな映画なのでミッキーであるバージャス・メレディスの顔が見られると思ったら急に双眼鏡が欲しくなりました。でも持ってくるのを忘れていました。「なんで双眼鏡持ってこなかったんだろう!」と思っていたら、なんと会場に「双眼鏡のレンタルコーナー」があるではありませんか。もちろん急いで借りに行きました。レンタル料金は当時5ドルでした。ただし借りる時にカリフォルニアのドライバーズライセンス(運転免許証)を預ける必要があります。そうしないと持って帰ってしまう人がいるので、それを防ぐ必要からの措置でした。
双眼鏡を手に自分の席につくと、後はもう開演を待つばかりです。開演前の観客席のざわつきというのは、みんなが期待して楽しみにしてきているので、何んとも言えず「良い」ものであります。舞台上ではオーケストラの面々が定位置につき始めており、それぞれが自分の楽器の最終チェックを済ませて、後はジョン・ウィリアムズの登壇を待つばかりという雰囲気になってきています。
我々が座っている観客席全体の照明が落とされました。照明で明るいのは舞台の上だけなのですが、その舞台が一段と明るくなったように思えました。そして、スポットライトが左手にあたり・・・。
つづく
こちらの記事は基本1995年に書いたものであり、情報が極端に古いところがあったので、今回2020年夏にブログにするにあたり修正・加筆を加えて新しい記事内容に更新してブログに上げました。